全国の学習塾で働く「塾人」の皆さんへ

全国の学習塾で働く「塾人」の皆さんへ。

このサイトをご覧いただきまして、ありがとうございます。

このサイトの目的

このサイトは、学習塾で働く「塾人」の職場環境や労働条件を改善していくためのサイトです。このサイトは全国の学習塾で働く「塾人」のみなさんに対して、自分の勤務する学習塾の労働条件や職場環境をより良くしていくため、また個別の労使紛争を解決するための支援を目的とします。もう一つの目的は、全国各地の学習塾で働く「塾人」をネットワークで結ぶことで、学習塾の職場で起こる労働問題の共有化、「塾人」どうしの相互支援、相互交流をはかることです。

学習塾における労働問題とその背景

昨年、個別指導塾での学生アルバイトの長時間労働、残業代未払いの問題が報道され、学習塾業界における労働問題が大きく知られることになりました。しかし、これは学生アルバイトに限ったことではなく、正社員を含む学習塾業界で働くすべての人に関わる問題だと思います。ここ10数年、学習塾で働く人の労働条件や職場環境は年々低下しているように感じます。一方、学習塾で働く人たちは、職場の労働環境が悪くなっても、待遇に不満や疑問があるとしても、会社(経営者)に対して声をあげて改善を要求することはせず、大部分は泣き寝入りするか、黙って職場を去っていく場合が多いようです。 これはなぜでしょうか?

学習塾業界はカリスマ経営者が一代で大きくした企業が多く、職場の労働時間、賃金規定、公休日数などがある日突然、経営者の鶴の一声で改悪されてしまっても、誰も反論できないこともあります。また学習塾で働く「塾人」は、真面目で責任感の強い人が多いこともあり、会社(経営者)の決定に不満や疑問があっても受け入れてしまうなどの側面もありますが、本質的には次のような理由が考えられます。

① 学習塾で働く人をサポートする全国的な労働組織がないこと。

労働相談や適切なアドバイスを受けることが困難。また労働問題が共有されにくい。

② 働く者の権利や地位を守る労働組合のある学習塾が皆無であること。

一度、労働条件が改善しても、数年たてばもとに戻ってしまう場合も多く、組合活動による継続的な職場の労働環境の改善が進めにくい。

③ 労働諸法規や労働法制をよく知っている人が、経営者、労働者の双方に少ないこと。

学習塾で働く人は労働基準法・労働契約法・労働組合法の知識があまりなく、職場の労働問題や労使トラブルに直面しても、どう対処したらよいのかわからない場合が多い。

④ 労働組合活動により学習塾の労働環境が改善した事例が知られていないこと。

知られていないだけで、事例はあります。今後、このサイトで発信していきます。

このような背景を考えると、私たち「塾人」が職場の労働環境を自らイノベーション(変革)していくために必要なことは何でしょうか?

それは、① 全国の「塾人」どうしがつながり、職場の労働問題を共有し協力して解決していく横断ネットワークの構築。② 学習塾の各職場での労働組合の結成。 であると思います。

学習塾にも労働組合を!

私たちは、地域のユニオン(一般労働組合)に加入し、鈴鹿英数学院、ワオ・コーポレーションの各職場にユニオンの分会として労働組合を結成し、ユニオンの支援を受けて、会社と粘り強く交渉してきました。 その結果、労働時間管理の適正化、公休日の増加、有給休暇の取得、再雇用社員の雇用条件などについて、組合の結成前と比べかなり改善しました。

自分の職場の労働環境を良くしたいと思って、経営者に直接それを要求しても、大抵は無視されるか、「嫌なら辞めれば」と言われて終わりです。 経営者からの嫌がらせを受けるリスクもあります。労働基準法に違反する事例の場合、労働基準監督署に申告することも可能ですが、監督署の指導により労働環境が一時的に良くなったとしても、何年かたてばもとに戻ってしまうこともあります。職場に労働組合を作れば労働組合法の保護を受けられ、泣き寝入りや退職したりせずに、今の職場で働き続けながら労働環境の改善を継続して要求していくことができます。

そこで私たちの活動や主張を全国の学習塾で働く方々に知ってもらうためにこのサイトを開設しました。このサイトを通して、学習塾で働く「塾人」のための情報発信、労働相談や職場での労働組合の結成に向けた具体的アドバイスなどを提供していきたいと思っています。

学習塾労働者・全国ネットワーク

私たちのもう一つの目的が、全国各地の学習塾で働く「塾人」どうしをつなぐ労働ネットワークを作ることです。そのために『学習塾労働者・全国ネットワーク』があります。自分の勤務する塾の労働条件・職場環境・労働問題などについての意見や情報交換、労働相談を通して「塾人」の労働問題の共有化、相互交流や相互支援を進め、全国の「塾人」どうしをつなぐ労働ネットワークを作っていきたいと思っています。各地のユニオンと協力して、学習塾の職場での労働組合の結成や経営者との団体交渉の支援なども考えています。『学習塾労働者・全国ネットワーク』は、本年10月1日~2日に広島で開催された第28回コミニュティ・ユニオン全国交流集会において、その設立構想が発表され、多数の賛同を得ました。

職場の労働環境をより良くするために

自分が勤務する学習塾の労働条件や職場環境に不満や疑問がある方、何とか改善したいと思っている方、学習塾の職場にも労働組合が必要だと考えている方、ぜひこのサイトから私たちにアクセスして下さい。 私たちがサポートします。職場の労働環境は変えられないとあきらめてはいけません。 まずは行動しましょう。行動が現状を変えるきっかけになります。 いつか良くなることを待つのではなく、自分から変えようとする意志を持つことが重要です。 このサイトが、そうした「塾人」の思いや行動をしっかりとサポートできるよう、コンテンツも充実させていきたいと思います!

全国の学習塾で働く「塾人」の皆さんからの、ご意見、ご連絡、ご相談をお待ちしています。

 

 

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全国の学習塾で働く「塾人」の皆さんへ” に対して7件のコメントがあります。

  1. 塾業界を憂える塾人 より:

    他県の塾で正社員として勤務しています。私の勤務先は県内に10校ほどあり地元では生徒数、合格実績ともまずまずの評価を得ていますが、ここ数年ほどで雲行きが怪しくなり、リストラが始まりました。
    少子化で減っていく生徒数を補うために個別指導を併設していますが、経営状態はあまりよくなりません。給料も現状維持どころか毎年減らされていくばかりで困っています。子供は大学まで進学させたいと思っていますが、学費をどのように工面するか家内と相談する毎日です。塾ではキャリアにならず転職もできません。他塾の様子を知ろうとネット検索していると塾の横断ネットワークを提唱されていて、興味深く読ませてもらいました。
    学習塾で働く人のための労働ネットワークという構想がなぜ今までなかったのか不思議です。このサイトに勇気づけられ喜怒哀楽を分かち合う心の糧ができました。学習会や情報交換、労働相談などが提案されていますが、私のように小さな塾で働く者でも仲間に入れていただければ幸いです。

  2. 塾大魔王 より:

    私は学習塾に勤務し入社から30年がすぎました。勤務する学習塾は全国展開しており、数件の校舎勤務を経て、定年を迎えようとしています。ひょんな事でこのサイトを拝読しましたが、どこの塾も内実は同じということですね。
    三十代の頃には朝から深夜まで残業代なしでの勤務が慣習化していましたが、40歳を過ぎると査定で減俸され、定年を迎える頃には入社当時と変わらない額まで下げられ、定年後の再雇用ではそこから更に年収ベースで50~60%も下げられます。若い頃の過重労働は将来、加齢時の肉体的な生産の低下を相殺する日本的な慣習と認識していましたが、これでは会社にいいとこ取りされているのと同義です。50歳を過ぎると会社の給与では自分の子供を大学へ行かせられないのが実状です。子供の教育を行なっている者が自分の子供の教育を保証しにくい。学習塾は本当に教育機関なのかと疑問を抱きます。この状況を変えていかなければ塾業界には未来がないと思います。学習塾業界の古い体質を改革する必要があります。

  3. SAI より:

    eisu高校部社員です。えいすうユニオンの社内ブログをいつも楽しみにしています。

    ところであのブログですが、今月になっても更新されていないのはなぜですか。
    このサイトのブログができたので社内ブログは廃止する予定なのですか。
    私的にはあの社内ブログはこれからも続けてほしいと思います。

    会社との団体交渉の状況や裏話、労働法など貴重な情報源がなくなってしまうのは
    残念でなりません。
    あのブログは意外とみんな見ています。どうか存続をお願いします。

    それから来年度の高校部の年間公休日数は何日になりそうですか.

  4. T.S. より:

    私は関西の学習塾で正社員として勤務しています。私が塾業界に入った平成の初めころは生徒数の拡大期で、新たに校舎を出せば生徒が集まってくるような時代で、仕事はハードでしたがやりがいもあり、給料や賞与も右肩上がりでした。今にして思うと隔世の感があります。
    私の職場では年俸制度が導入され、40歳を過ぎると査定で年俸が毎年下げられます。年俸額査定面談では退職勧奨まがいのことを言われることもあります。会社は私のような高年齢社員はお荷物だと思っているのでしょう。職場で私と同じ立場の人は他にいますが、どうしようもないことと半ばあきらめていました。そんなときにこのサイトを見て、労働組合という方法に関心を持ちました。これからもブログでいろいろな情報を教えてください。

  5. ひねもす より:

    現社員です。ユニオンがあることは知っていましたが、このホームページで改めて活動内容を知り、正直驚きました。
    会社が「社員のために変えた」と言っていたことは、ユニオンの要求によるものだったんですね!

    私は幸いなことに、周りの人たちに恵まれて仕事をしていますが、やっぱり役職のある人は大変そうで、当たり前のように休日も会社にいるようです。上からの指示?がコロコロ変わったり、急な仕事ができたりしているようです。私もイベントで休日がつぶれることもあります。

    「このままこの会社にいていいのかな?」とみんなで話すこともあります。

    将来に希望が持てるように、ユニオンの活動を注目したいと思います!

  6. K.N. より:

     働く皆さんを応援します!
     私は、定年まで学習塾で働き、今も週に数回、個別指導塾で教えている者です。
     皆さんご存知のように、日本の労働者をめぐる状況は、ますます悪化の一途を辿っています。年収200万円以下の人々が半数近くを占め、非正規雇用が4割近くに上っています。とくに若い人たちが苦境に立たされています。
     学習塾界でも同様です。多くの学習塾で労働条件の劣悪化が進み、突然の解雇、賃金カット、サービス残業の増加、休日の短縮化、不当な配置転換などが行われています。このような状況で自らの苦境に耐え続けることは、自分をじわじわと殺していくことに他なりません。(会社側は、このような状況でも、それを労働者自らが甘受していると認識するのです。働く側が耐えられないと声を上げなければ、働く側の苦境は変わりません。)
     働く皆さん、声を上げましょう。その声を大きくするために仲間を作り、連帯しましょう。労働基準法を熟読し、ブラック企業を告発した書物を読み、理論武装しましょう。また、政府の労働・福祉政策にも批判の目を向けましょう。
     皆さんの活動は、決して利己的なものではありません。皆さんの活動が広がっていけば、それは、やがて他の業種で働く人々の生活も安定していくことにつながるのです。

  7. 元社員 より:

    給与が年俸制に変わった2007年までeisuに在職していました。年俸制に不安を感じて退職を決意したのですが、私が退職してから労働組合ができたことを会社に残った友人から聞いて驚きました。
    eisuも何年か前に週休2日となったようですが、私が在職していた頃には考えられなかったことです。雇用条件がコロコロ変わるワンマン企業に労働組合は絶対に必要でしょう。今は違う業界にいますが、これからもがんばってください。応援していきます。

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