学習塾で働く塾人の皆さんへ。もう3月ですね~。

高校入試の日程もほぼ終わり、もうすぐ春期講習が始まります。これから新年度に向けての人事異動や新人研修なども本格化し、あわただしくなってくると思います。学習塾では新年度が4月スタートのところが多いかと思いますが、春期講習受講の動機づけや新入塾生獲得のために3月スタートのところもあります。ちなみにeisuは3月から新年度となります

ところで皆さんの勤務する学習塾では、2018年度の『時間外・休日労働に関する労使協定』の締結はお済みでしょうか。この協定は従業員の時間外・休日労働などを書面で取り決めたもので三六(サブロク)協定とも言います。そして三六(サブロク)協定は、1年単位の変形労働時間制に関する労使協定などと同様に労働基準監督署への届出が義務づけられています。

三六(サブロク)協定とは

労働基準法第36条では、会社が法定労働時間(1日8時間 週40時間)を超えて従業員を労働させ、または休日労働をさせる場合には、あらかじめ会社と労働組合もしくは従業員の過半数を代表する者とのあいだで書面による協定「時間外労働・休日労働に関する協定書」を締結し労働基準監督署に届出することが規定されています。この手続きを怠った状態で従業員に残業を命じたら労働基準法違反となり、会社は従業員に「違法残業」をさせたことになります。しかしあらかじめ労使協定を締結し届出しておけば労働基準法第36条違反にはなりません。このように「時間外・休日労働に関する協定書」は労働基準法第36条を根拠にしているので一般的には「三六(サブロク)協定」とも呼ばれています。

4月から新年度がスタートする学習塾の場合、その年度の労働時間制や時間外・休日出勤を決めるためには、遅くとも3月末までに従業員の過半数代表者が選出され、従業員代表と会社とのあいだで労使協定が締結され所轄の労働基準監督署に届出することが必要です。『うちは週40時間以上の時間外・休日出勤は年間を通して全くない』と断言できるのなら問題ないですが、学習塾ではそんなことはあり得ないでしょう。平成25年の厚生労働省の調査では中小企業の56.6%が時間外・休日労働に関する労使協定を締結していないという結果もあります。

三六(サブロク)協定を軽視する会社の特徴

会社が三六協定の締結や届出を怠っている(法的に適正な手続きをしていない)ということは、会社が労働諸法規についてのコンプライアンスを軽視していることになり、働く人に配慮しない長時間労働が起こりやすくなります。このような職場では次の特徴がみられます。もろブラックな労働環境です。①タイムカードなどがなく会社が従業員の労働時間を管理・把握していない。②年度途中で労働時間が急に増えたり、公休日が減らされたりする。③いきなり休日出勤を命じられる。また休日出勤が異常に多い。④1週間以上の連続勤務がある。⑤従業員代表には毎年本社の総務か管理職の人がなっている。⑥誰が従業員の過半数代表なのか知っている人がいない。⑦年間総労働時間数や1か月あたりの労働時間の上限が不明。⑧長時間労働だが残業手当や休日出勤手当がまったく出ない。

これらのどれか一つでも当てはまる場合は、三六協定を締結・届出していないか、届出しているとしても労働基準法違反にならないように形式だけ適当に処理している可能性が高いです。いま一度、自分の職場ではどうなっているのか調べてみてください。勤務する学習塾の総務か人事部に申し出て協定の実物を見せてもうのがいちばん手っ取り早いのですが、実際には何だかんだと理由をつけて見せてもらえないケースが多いと思います。

eisuではどうなっているのか

過去にはeisuでも三六協定の締結や届出を怠っていた(法的に適正な手続きをしていなかった)時代もありました。その頃には従業員の過半数代表の選挙も実施されず、三六協定の存在や従業員の過半数代表が誰なのかも全くわからない状況でした。その当時は前述したような特徴が職場内で普通に見られました。しかし私たち労働組合の闘争により、今では毎年2月に従業員の過半数代表選挙が職場内で行われ、2月末までに三六協定などの各種労使協定の締結・届出が法律通りに行われるようになりました。届出された労使協定は4月初めに社内のクラウドサーバーにアップされ、社員ならば誰でも閲覧できるようになっています。

各地の学習塾で働く塾人の方と話をしていると、自分の職場の労使協定を見たことのない人が多いのに驚かされます。また従業員の過半数代表選挙は自分が働く学習塾では一度もやったことがないという話もよく聞きます。一方、厚生労働省が発行する経営者向けのパンフレットには『過半数代表者の選出が適正に行われていない場合、36協定を締結し、労働基準監督署に届け出ても無効ですので、ご注意くださいと書かれています。

皆さんの働く学習塾では、労使協定がきちんと締結され、労働基準監督署に届出されているでしょうか? 労使協定を結ぶ労働者側の当事者である従業員の過半数代表は適正に選ばれているのでしょうか? 次回はそれらを見極めるポイントを説明します。