全国の塾人の皆さんへ。たいへん遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。そして全国の受験生へ。自分を信じて最後まであきらめず、頑張って志望校合格を目指してください。学習塾の労働組合として心から合格を祈っております。

   年明け早々、体調を崩したことや本業が忙しくなったことなどによりブログの更新が遅れてしまいました。申し訳ありません。今年も学習塾の労働組合としてより働きやすい職場環境の実現と、他の学種塾に勤務する塾人の皆さんに有益な情報を発信していきます。もちろん労働相談やアドバイスなども継続してやっていきます。最近、他塾で働く塾人の方から、私たちが勤務するeisu(鈴鹿英数学院)の職場環境や労働条件が組合活動の結果、以前と比べてどこがどのように改善したのかについて聞かれることが多くなりました。今までの改善内容についてはこのサイトの「改善事例」のページに簡単に紹介してありますが、もっと具体的に知りたいという塾人の方もいるので、今後はこのブログにもできるだけ書いていこうと思っています。

 さて先日、東京にある私立正則学園高校の教職員が「私学教員ユニオン」に加入しストライキを実行したことや、これも東京の私立京華商業高校で雇い止めされた有期専任の教員が同じ「私学教員ユニオン」に加入してストライキを実行したことがニュース配信されていました。私立の中学・高校や専門学校で教職員をしている友人や教え子からの話では、私立校でも学習塾と同様に長時間労働・サービス残業、労働条件の不利益変更などに苦しむ教職員も多いと聞いています。

 私立の学校法人でもワンマン経営に対抗するため、長時間労働やサービス残業が横行する職場の問題を解決するため、より働きやすい職場を創造するため、やはり現場で働く人のユニオンへの加入・職場での労組結成が必要だと思います。このことは学習塾でもまったく同じです。学校法人である私立校の教職員も民間企業である学習塾で働く塾人と同様に労働基準法が適用されます。最近、このサイトへの全国からのアクセス数が急増していることからも、今年は学習塾において職場内でのユニオン加入、労組結成の動きが出てくる可能性が高まっているように思います。このブログを定期的に閲覧している学習塾の経営者の方は十分お気をつけください(笑)

 さて第3回目は、学習塾業界で長時間労働や連続勤務がなくならない背景として、学習塾の労働時間管理の問題についてお話します。

学習塾の労働時間管理の問題

 皆さんが勤務する学習塾では、毎日の出勤・退勤時間をどのように記録・管理していますか? タイムカードによる記録もしくは勤務時間記録表に毎日書き込む方法でしょうか?  eisuでは後者の方法を取っています。でも現状では社員の出退勤時間をまったく記録・管理していない学習塾や、形式的にやっているだけの学習塾も多いです。eisuでも労働組合が闘争を始める2012年まで会社は社員の労働時間を記録していませんでした。

 会社が社員の労働時間を適正に管理していないとどうなるのか。会社は社員が実際にどれだけ働いたのかまったく把握していないので、社員がどれほど長時間働こうが数十日間の連続勤務が生じようが、表向きは就業規則に規定される正規の労働時間働いたことにしかならず、当然残業はまったくないことになるので残業代も支払われません。

 これでは異常な長時間労働の結果、社員が精神疾患を発症したり過労死しても、本人の自己責任で片づけられてしまう可能性も高くなります。そして社員が精神疾患や過労死する職場では、社員の労働時間の管理を会社が適正におこなっていない場合が実際かなり多いのです。このような職場で『生徒のために』という学習塾独特の理念が過剰に拡大解釈され、現場社員に強要されると、それこそ際限ない連続勤務や長時間労働が発生する要因となります。

労働時間を適正管理しないのは確信犯か?

 会社が社員の労働時間管理を怠っていると長時間労働が慢性化し、社員に取り返しのつかないことが発生しても不思議ではありません。しかしあえて社員の労働時間管理を適正に行わない(曖昧な部分を残す)という場合も実際にはあります。

 この場合、会社は社員の実際の労働時間を把握していないので社員がどんなに長時間働こうが連続勤務しようが記録が残らず、表向きは通常の勤務時間分だけ働いたことにしかなりません。正確な労働時間の証拠が残らないので、社員からの残業代請求や社員に何か起った時に『うちの会社では残業もない。連続勤務もない。長時間労働はありえない!』と主張して責任追及から逃れることもできます。もし職場で問題が発生しても会社に「言い逃れ」の口実を与えることが可能です。

 ではタイムカード等に記録していれば大丈夫なのでしょうか?私たちはタイムカードを正規の出勤・退勤時間で打刻することを社員に強制する大手学習塾の事例も把握しています。こんなやり方では会社が社員の実際の労働時間を適正に管理しているとは到底言えません。会社は形式だけ整えれば社員の精神疾患や過労死が起こったとしても表面上は長時間労働が発生していないことになるので責任を回避できるとでも思っているのでしょうか。確信犯的な悪質性を感じます。

   eisuでも勤務時間記録表には原則として正規の出勤・退勤時間を記録するようになっています。数年前の団体交渉で会社にタイムカードの導入を要求したことがありましたが、経費上の問題 ? で今の方法が定着した経緯があります。ただ eisu には労働組合があるので今では過酷な連続勤務や長時間労働はないと思っています。職場で何か問題が起これば当労組が開設する eisu 社員専用サイトやこのサイトを通して社員から直接、相談や情報提供が入るようになっているので一定の歯止めになっています。

 結局、毎日の労働時間の管理は会社に任せるのではなく自分自身で行うのが最も安全だと思います。今の時代、会社は信用できないと思っていたほうが自分の身に何かあった時に有利にたてます。以前のブログにも書きましたが、実際の出勤・退勤時間に会社のパソコンから自分のスマホにメールするのも一つの方法でしょう。

 この3月から学習塾に入社を希望して就活を始める大学生の皆さんは、会社説明会で社員の労働時間を会社がどのように管理しているのかをしっかりと質問しましょう。説明がなかったり回答が曖昧だった場合はその学習塾への入社は避けるべきです。

 学習塾においては、残念ながら社員の労働時間管理を適正に行なっていない会社が多く存在しています。また仮に出退勤の時間管理をタイムカード等で管理していたとしても、前述のように形式的にしか行なっておらず管理が甘い会社も多く見られます。私たちは、これらが学習塾で長時間労働や連続勤務がはびこる要因の一つだと考えます。今後の学習塾業界で改善すべき点の一つです。

 次回は連続勤務の上限と、学習塾の職場でのコンプライアンス上の問題について説明します。