7月11日の労使協議の結果
eisu高校部で勤務する社員の方へ。また全国の学習塾で働く塾人の皆さんへ。
7月11日(木)に当労働組合とeisu高校運営部とのあいだで労使協議が行われました。当日は高校部社員が休日出勤した場合に、対象者全員が代休(振休)を100%確実に取得できるようにするための方法について協議し、以下の内容で合意しました。
当日は高校運営部から2名、会社から1名、当労組から3名(ユニオンみえの執行役員1名を含む)が出席しました。
7月11日の労使協議の結果
以前より、eisu高校部では社員が休日出勤した場合、勤務校舎や部署によっては振休や代休が取得できないという意見が当労組に届いていました。今年4月からすべての職場で「年休5日取得義務」がスタートしましたが、『代休(振休)すらまともに取れないのに、年休(有給休暇)など取れるはずがない』という意見や、人員が少ない1~2名体制の校舎に勤務する社員から『自分の業務を代行してくれる人がいないので代休(振休)はもちろん有休などもまったく取れない』といった意見も聞きます。
公休日に休日出勤しても勤務する校舎や部署によって社員の間に格差が生じるのは公平性の観点からいっても放置しておくのは問題で、当労組もこのような現状は早急に改善すべきだと考えていました。
労使協議での高校運営部の説明では、現在、休日出勤した社員には休日出勤届を記入提出させている。その中で代休(振休)日を指定することになっているが、実際に個々の社員が休みを取得できているかどうかは現場任せになっている部分も多く、高校部社員全員の代休(振休)取得状況までは確認できていないとのことであった。
つまり高校部では休日出勤した社員に休日出勤届を提出させた後、その人が確実に休みを取ったかどうかまでは確認できていないという現状がはっきりしました。当然ながら労使協議では休日出勤した高校部の代休(振休)取得率などのデータも提示されていません。これでは休みを取れない人がいたとしても不思議ではないし、運営部は高校部社員の労務管理を放棄していると言われても反論できないのではないでしょうか。
こうした事実を踏まえ、当労組は高校運営部に対し、① 運営部内に代休(振休)取得を管理する労務担当を設置する。② 社員の代休(振休)取得に期限を設け、期限までに休みを確実に取得させるようにする。③ 対象となる社員の代休(振休)取得の管理を現場の教室長に任せる。対象者が教室長の場合は運営部の労務担当が行う。④ 社員1~2名体制の校舎など休日取得が困難な部署については、運営部が中心となり他校舎から社員やアルバイトを融通し合うなど現場業務をヘルプする体制を作る。⑤ 運営部や教室長に対して意識改革を促す。の以上5つの要求・提案を行いました。
労使協議の結果、『高校部社員の代休取得に関する新ルール(制度)案』を7月末までに高校運営部が作成し当労組に提示する。その後、当労組と高校運営部で内容を協議し早急に実行できるようにすることが当労組と高校運営部との間で合意されました。
労使協議での合意内容
以下は当労組からの要求・提案に沿って、労使協議で合意された新ルール(制度)案の具体的な内容です。箇条書きすると次のようになります。
1.公休日に休日出勤した社員は、速やかに休日出勤届を提出し、出勤日の翌月末までには必ず代休(振休)を取得させる。代休(振休)は1日休日出勤した場合、半休(0.5休)2回に振り分けてもよい。
2.休日出勤届は各現場の教室長および高校運営部の労務担当で管理する。
3.教室長は届出日に確実に代休(振休)を取得したかどうかを毎月末時点で確認し、教室長から高校運営部の労務担当に報告させる。
4.現場では教室長の責任において対象者が確実に代休(振休)を取得できるようにする。対象者が取得できていない場合は教室長の責任とする。対象者が教室長の場合は運営部の責任において休日を取得させる。
5.期日を過ぎても代休を取得できない社員には教室長および高校運営部(労務担当)から、繰り返しメールや電話で代休(振休)の取得を促す。その際校舎や部署で代休(振休)を取得できない原因があれば運営部が対応策等を考え、実行する。
6.1人~2人体制の校舎など代休(振休)取得が困難な職場においては、代休(振休)届出日に他校舎から社員や学生アルバイト派遣するなど、社員やアルバイトを校舎間で融通し合うヘルプシステムを高校運営部の責任で構築する。代休取得期間内には必ず代休を取得できるようにする。
7.教室長および運営部メンバーは、高校部の中で、社員が年休や代休(振休)を確実に取得できるようにするための意識改革を徹底する。
今年から政府の働き方改革により、すべての事業所で社員に年休5日を確実に取得させることが義務となりましたが、その前提として社員が休日出勤した場合に対象者全員が代休や振休(もちろん年休も)を確実に取得できるような制度を職場において構築すべきであると当労組は考えます。同時にこれを効果的に行うために、現場社員だけでなく学習塾経営者や上層部も、社員の働き方や休ませ方への意識を変革する必要があるとも思います。
高校運営部は、当労組との合意にもとづき7月末までに『高校部社員の代休取得に関する新ルール(制度)案』を作成し、当労組まで提示すると約束しました。どのような回答が来るのか、高校運営部の回答を待ちます。もし合意を守らなかった場合には運営部への対応を変えます。
新ルールの策定は始まったばかりで、まだまだ予断はできませんが、これによりeisu高校部で働く社員の方が、休日出勤した時には全員が確実に代休(振休)を取得できるようになることを願っています。
なお今回の労使協議は高校運営部と行いましたが、小中運営部とも社員が休日出勤した場合の確実な代休(振休)取得に関する労使協議を実施します。時期は夏期講習終了後の9月頃を予定しています。
他の学習塾で働く塾人の方にとって、私たちの労働組合活動の詳細を知っていただくことも必要だと思います。したがって今後は会社との交渉過程や協議内容の詳細なども、できる限り公開サイトや公式Twitterなどで発信していこうと考えています。