学習塾社員へのコロナ感染対策はどうなっているのか?(前編)

全国の学習塾に勤務する塾人の皆さん。それからeisu社員の皆さんへ。

新型コロナウィルスの感染拡大がいっこうに収束する気配がありません。三重県や愛知県でも感染者の増加が連日報道されており、10月以降にはコロナ第3波の襲来が懸念されています。6月頃には感染者が減少しコロナも収束するかと思えましたが、7月以降には再び増加し、現在でもその傾向は変わりません。

緊急事態宣言はすでに終了し、Go To トラベルやGo To イートなども本格的にスタートしていますが、これで本当に大丈夫なのか?という一抹の不安があります。今年はコロナに始まりコロナで終わる年になりそうです。学習塾業界にとっても今年は「試練の年」になると思います。

生徒への接客サービスをなりわいとする私たち塾人は、マスク着用、うがい、手洗い等を徹底しなければいけません。また人と集まる場合は、仕事でもプライベートでも三密にならないようソーシャルディスタンスには十分注意する必要があります。

ところで、皆さんの勤務する学習塾では、会議などで社員が集まる場合、どのような対策を取っているでしょうか?コロナウィルスの感染拡大が懸念される現在、大勢の社員が集まる会議そのものを中止したり、Web会議に切り替えたり、どうしても必要な場合には三密対策をしっかりと行なった上で、部署や地域で分散したり、日程をずらすなどして多数の社員が一同に集まることをできるだけ避けるようにしているのではないでしょうか。

厚生労働省の新型コロナ感染対策ガイドラインでも、今のような時期には多くの従業員が一同に集まることは避けるべきで、緊急性、重要性の低い会議、会合、研修等は中止もしくは延期するよう記載されています。

現在どこの学習塾でも、顧客(生徒・保護者)向けの感染防止対策は、社内でマニュアルを作成し、それに従って徹底して行なっています。また勤務中の社員(従業員)への感染防止対策についても、社内での会議・研修等の扱いや社員間のソーシャルディスタンスの確保等、経営者や上層部から何らかの方針や指針が出され、これに従って社員への感染防止を全社的に取り組んでいる学習塾もあります。

一方、そうした取り組みを現場の社員任せにし、経営者や上層部が何の方針や指針も与えない学習塾もあります。そうした会社では経営者や上層部が、勤務中の社員への感染対策についてないがしろにしている部分が多々あると思います。

もし現在、従来と同じように、会社(経営者)により社内で多数の社員が集まる会議等の開催が通常どおりに指示され、三密対策がほとんど配慮されないまま行われている学習塾があるとしたら大きな問題です。そのような会社は雇用する社員のコロナウィルスへの感染リスクを軽視していることになるからです。生徒や保護者への感染防止策は徹底しているのに、勤務する社員への感染防止については二の次とし社員の健康確保や安全にはまったく配慮しない会社だと言われても仕方ありません。

もし社内で三密対策が徹底されないまま会議等を開き、その結果従業員の誰かが感染し、クラスターが発生したらどうするのか?  そして従業員から生徒や保護者に感染させたらどうするのか? もしこのようなことになれば企業としての社会的責任を問われることになります。学習塾の経営者や上層部には、この点について意識や理解が及ばない人もいるのがとても残念です。

コロナウィルスの恐ろしいところは、感染しても発症しない場合もあり、自分がコロナ感染していることを自覚しないまま周囲の誰かに感染させてしまう可能性もあります。したがって誰もが周囲の誰かに感染させるリスクがある以上、会社(経営者)が現在とるべき感染防止対策は多人数で1室に集まることをできるだけ避けること。社員が集まる場合にはソーシャルディスタンスをしっかり確保することではないでしょうか。

拡大社員会議開催の通達

eisuでは多数の社員が一同に集まる拡大会議が年に4~5回あります。会議といっても経営者や上層部からの今後の方針に関する伝達や、社員へのメッセージが発表される場という意味合いが強いです。この拡大会議では会議場となる大教室が社員で満杯になります。自分の座った席のすぐ両隣には別の社員が座ることになりソーシャルディスタンスなどまったくありません。

9月25日、会社から10月2日に東海地区のeisuに勤務する約200名の社員が一室(大教室)に集まる拡大社員会議の開催が通達されました。今の時期には例年だと9月に開催されます。通常ならまったく問題ないのですが、コロナ感染拡大が懸念され依然収束する気配もない今の時期に、このような多数の社員を一室に集めて会議を開くことは社員の感染防止の観点から非常にリスクの高い行為です。実際今年4月、5月に予定していた拡大会議は延期され、感染者が急減した6月に行われています。

当労組はすぐに社の上層部に、もし拡大会議に出席した社員から感染者が出た場合には社としても非常にリスクが高く、今の時期の拡大会議は避け、延期すべきだとする旨を申し入れましたが、社の上層部からの返事は『もう決まったことだから会議の延期等は考えていない』『会議中のコロナ感染が不安なら当日有休を取って会議を欠席してもよい』とのことであった。当労組は会社(経営者)が社員に発信したいメッセージ等があるならリモートでの開催を提案したが、上層部の答えは『リモートは考えていない』とのことであった。ちなみに会社が指示した会議当日のコロナ感染対策は個人のマスク着用と会議中に窓を開けて換気をすることだけであった。

社内の非公然組合員や組合側社員に意見を聞いたところ『こんな時期の拡大会議はやめてほしい』『拡大会議そのものが不要不急ではないか?今やる必要があるのか?』『会議に参加することに大きな不安を覚える』という拡大会議の開催に否定的な意見が大部分だった。中には会議当日に有休を取って休むと言った社員もいた。

当労組からの社への回答要求

拡大社員会議を強行することを辞さない会社に対し、当労組は、9月26日、10月2日の拡大会議の開催について、以下の内容で質問書(回答要求書)を送った。

1.拡大会議当日、個人のマスク着用と室内の換気以外に、どのような感染防止対策を講じるのか?

2.拡大会議に出席する社員間のソーシャルディスタンス(最低1M 2M以上が適正とされる)をどのように確保するのか?

社からすぐに回答が届きました。それには10月2日の拡大会議は中止になったと記載されていました。この時期の拡大会議が中止されたことは良かったのですが、当労組からの質問については10月2日の拡大社員会議が中止になったので、今回の質問に対しては、回答義務が自然と消滅することになると思いますという誠意のないふざけた回答が届きました。

そこで当労組は再度、社に以下の内容で質問書を送り、同時に公開サイトで回答を公表すると通告しました。(こう言わないとろくな回答しか来ないと思ったから…)

1.今後、多数の社員が集まる会議等を開く場合、個人のマスク着用と室内の換気以外に、どのような感染防止対策を講じるのか?

2.今後、会議等に出席する社員間のソーシャルディスタンス(最低1M 2M以上が適正とされる)をどのように確保するのか?

3.対外的なイベント等に出席する社員について、どのような感染防止対策(社員間 社員 顧客に対して)を講じるのか?

 

もし、当労組が社に質問書(回答要求)を出さなかったら、社は拡大会議を強行していた可能性が高かったです。社も拡大会議の開催について、社員に通達を出す前にもう少し熟慮してほしかったと思います。

当労組の質問に対する社の回答は後編で開示します。

 

 

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