eisu高校統括部からの回答

eisu社員(特に高校部社員)、全国の学習塾で働く塾人の皆さんへ。
前回(4月29日投稿)のブログにも書きましたが。当労働組合は4月23日および4月27日に、以下の内容からなる質問に関して、高校統括部に対して回答要求を行いました。そして4月30日と5月6日に統括部からの回答が届きました。
当労働組合は2月以降、団体交渉や回答要求を含めて何度も高校統括部と交渉していましたが、高校部トップおよび統括部は管理職としての自らの体面や権威を守ろうするあまり、その場限りの場当たり的な対応に終始しており、かえって自分で自分の首を絞めているように思います。
予想していたとは言え、かなり不満足な内容です。この内容では高校部で働く現場社員のほとんどが納得できないのではないでしょうか。今まで統括部が実施してきた職場内でのマネジメント等の責任を認めず、反省もせず、現在の統括部の下で働く高校部社員の現状をまったく理解しようとしない内容です。
統括部の回答を見ると、観念的かつ抽象的な理想論のような美しい言葉が羅列されています。しかしそれを現場にどのように落とし込んでいくのか、今まで自分たち統括部が行なってきた現場社員へのマネジメントのどこが間違っていたのか、統括部自身の組織改革をどうするのか、失われた現場社員との信頼を回復させるためにどのようにすべきかなどについて記載はなく、まったく具体性がありません。
2月からの統括部との交渉経過を振り返ってみても、統括部自身は今回の労使紛争の原因である今の高校部の職場環境を立て直すことよりも、適当にユニオン(一般労働組合)と相手をして時間を稼ぎ、嵐が過ぎ去るのを待っているように思われます。現在の高校部の職場環境の問題や労使紛争の原因を作ったのは自分たちであるという自覚や責任はほとんど感じられません。
以下は当労組からの質問①~③と、それについての統括部の回答全文です。なお回答文は編集等を原則行なっておらず、ほぼ原文ママです。それぞれの回答文に対して当労組の見解も追記してあります。
質問①の回答
【当労組の質問】
3月23日付の統括部の回答では『2021年度4月以降~実験的にZOOMを主体とした会議実施を計画している』とあり、これに関する細かな内容が説明されています。しかしコロナ感染者が急増していた4月半ばにも高校部管理職社員を集めた対面式集団会議が実施されている。
4月以降、一度でも高校部全社員を対象とするリモート会議を実施しているのか?3月23日付の回答書にあるように、今後高校部で管理職会議や全体会議をリモートで実施するつもりがあるのか否か、リモート会議を実施するならいつからどのように実施するのかを詳細かつ具体的に回答されたい。
【統括部の回答】
4月の会議・研修は以下の通りになります。
・4/2(金)運営部によるZOOM会議
・4/9(金)愛知・静岡地区全スタッフ参加型のZOOM会議
・4/12(月)運営部によるZOOM会議
・4/16(金)高校部P・SP参加型の研修(勉強会)
・4/23(金)東京地区全スタッフ参加型のZOOM研修(勉強会)
・4/30(金)三重・愛知・東京全一般社員向けのZOOM研修(勉強会)
上記のように4月16日の会議だけをクローズアップされておりますが、実際はZOOM会議・研修(勉強会)の方が多く実施しております。上記のZOOM会議・研修実状況をご覧いただければ、会議を対面形式主体で実施しようとする意図は全くなく、対面以上にリモートを活用しようとしている旨をご理解いただけると思います。
今年度は状況と要不要に応じて会議(オンラインまたはオフライン)を開催すると「2021年 勤務時間」に記載されているように、その時の状況によるところが大きく、会議や研修の実施日・形式までは明確にすることはできかねます。
現在、コロナ第4波で県内・県外の感染者数が急増し、日常生活の中でも不安が募る中、高校部においても職員の健康・安心・安全、ひいては Well-beingを考慮しながら運営していく所存です。
(注)Well-beingとは、単なる一過性の感情や状態ではない、精神―身体の長期にわたる健全な在り方であり、健全な組織体の概念という意味で用いられています。
【当労組の見解】
当労組からの度重なる要求に統括部もようやく重い腰を上げ、4月以降リモート会議は増えています。ひとつ気になるのはリモート会議がコロナ禍が完全に収束するまで今後も継続するだろうか?という点です。理由は後述します。
回答文を読んで当労組が考えることは「リモート会議ができるのなら、なぜもっと早くやらなかったのか?」ということです。去年の4月~5月の緊急事態宣言下あたりからリモート会議を試験的にでも実施していれば、問題点や課題を見つけてそれをフィードバックして改善する時間はいくらでもあったはずです。
現場社員への健康被害やリスク管理についての統括部の対応はまったくダメです。しかも統括部は2月以降、当労組からのリモート会議開催要求を「感情の共有」ができないという意味不明な理由で頑なに拒否し、さらに当労組への回答文において、何度もリモート会議を実施しているかのようなウソを記載しごまかそうとしました。
当労組が3月3日の団交や要求書で圧力をかけた結果、4月以降に一部でもリモート会議が実施されるようになったことは現場社員のコロナ感染リスク軽減のために良いことです。
しかしながら労働組合からの圧力がないとまったく動かない統括部の対応は、2014年、2018年に高校部内で起こった労使紛争の時とまったく変わっていません。
ところでつい先日、高校部社員からこんな話を聞きました。4月になって高校部内で急にリモート会議が増えた理由を統括部幹部に聞いたところ「ユニオンがうるさく言ってくるから」と答えたそうです(笑)。
別に統括部からどう思われてもいいのですが、幹部のこの発言から、統括部はリモート会議はユニオンがうっとうしいからやっているもので(コロナ禍が完全に収束していなくても)ユニオンがうるさく言わなくなったら対面式の集団会議に戻したいと考えていることです。
ここから4月以降にリモート会議が増えたのは、高校部現場社員の健康や安全への配慮ではなく、単にユニオンがうっとうしいからだという本当の理由がわかります。
えいすう高校部トップおよび統括部の方へ。
コロナ禍が収束しない間はリモート会議を継続するのは当然である。当労組は「ほとぼりが冷めるまで」といういい加減な対応は絶対に認めない。よって今後も高校統括部とは長い付き合いになるので、当労組も貴殿らと「感情の共有」をはかりたいと思っている。
質問②の回答
【当労組の質問】
現在の高校部職場の問題は、高校部トップおよび統括部と現場社員とのコミニュケーション不在、相互不信にあると当労組は考えている。そこで統括部は現場社員との関係や信頼の再構築についてどのような方針を持ち、そのためにどのような方法を取っている、または今後取るつもりなのか? 詳細かつ具体的に説明されたい。
【統括部の回答】
4月25日(日)に配信した高校部全職員宛てのメールの一部抜粋になります。
<メール内容>
組織がWell-beingに則って運営されていくためには、上長から一方的かつ配慮のない業務指示を発出し、職員が本意を隠しながらしぶしぶ従う、といったことが決してあってはいけません。お互いの心身の健康に対する配慮、相互の信頼に基づいた親密なコミュニケーション、そして協働の姿勢が必須です。そこで以下の原則を今年度以降の高校部の行動原則としていきましょう。
■組織と社員のWell-beingの維持・発展のためなら、上長・部下と言った立場に関係なく、互いに自由に忌憚なく意見を伝え合い、受け止め合うよう全員が努める。
■互いの立場に配慮し、互いの個性と能力を活かしあうよう全員が助け合う。
■不信・不満・不誠実行為・個人攻撃・足の引っ張り合いなど、組織や個人のWell-beingを損なうような言動は絶対に行わない。
社の概念であるWell-beingを堅持するためには、上述した行動原則を前提とし、またそれを実行するために職員間の接触回数を増やしていきます。基本的には運営部(統括部) ⇒ 各校舎教室長、副教室長 ⇒ 校舎勤務スタッフの順で指示が流れますが、特に大切なのは運営部(統括部) ⇒ 各校舎教室長、副教室長になります。
校舎で直面している課題や今後起きるであろう課題を共有しなければ、組織はスムーズに機能しないと認識していますので、今後は各校舎の教室長、副教室長との接触回数を一層高め、課題のみならず個人が抱えている問題等も共有できるよう努めていきます。
一方、校舎によっては教室長や副教室長が所属スタッフに対し課題を運営部が意図するまで理解できるように落とし込めるかどうか疑問が生じるため、各校舎で勤務する現場社員においても接触回数を増やし個々の意見聴取の機会を創出するよう努めていきます。
【当労組の見解】
当労組がこの回答文を読んで考えたことは、今まで統括部が行なってきた現場社員への間違ったマネジメントの責任をWell-beingという曖昧な理念に置き換え、あくまで責任を認めようとせず、反省もしないという態度が表れているように思います。
回答文も4月25日に高校部社員全員に配信した内容のコピーであり、この内容は当労組にも届いており確認済です。したがって従来の統括部の方針を今後も変更しないという強い意思表示にもとれます。
教室長、副教室長や現場社員との接触回数を一層高めると言っていますが、どのような方法を取るのか。接触回数を増やして、現場社員の意見を集めてそれをどうフィードバックするのかがまったく記載されていません。
しかも現状において統括部と現場社員との相互信頼関係が破たんしているのに、現場社員との接触回数だけ増やしても、はたして統括部幹部を信頼して本音を言える社員がどれだけいるのかも疑問です。
当労組としては、現場社員の意見を聞くと同時に、統括部自身の意識改革や組織改革、従来の現場社員へのマネジメントスタイルの反省と変更も行うのが筋だと思いますが、それについては記載がありません。現状を立て直すために最初に変わるべきは、現場社員ではなく、高校部トップおよび統括部です。そのような意味では具体性がまったくない回答です。
質問③の回答
【当労組の質問】
高校統括部の言う「感情の共有」とは具体的に何(どういうこと)を表すのか?また統括部は高校部職場内において「感情の共有」という言葉を用いて何を目指すのか?詳細かつ具体的に説明されたい。
【統括部の回答】
(注)高校部に勤務する方は、特に下線部に注意してお読みください。
「感情の共有」につきまして、当方(統括部)の認識は以下のようになります。
①最も重要な意味は、社員同士を単なる記号や情報の塊、「働く機械」として扱わず、心と感情のある生きた人間として接し、互いの立場を思いやり、信頼を築き合う機会を作ることを表します。指示命令や意思疎通を図るにあたり、合理化をはき違えてオンライン会議やメール等による情報伝達だけに終始していると、お互いが心ある生きた人間であるという感覚が希薄化しやすくなります。これは信頼・協力という、良い職場であるために非常に大切な条件を毀損し、社員間を分断させ、チームワークを破壊し、ひいては業績と職場環境の悪化をもたらすことになります。
私たちは「感情の共有」を、このような状況を回避し、業績と職場環境を根本から改善させるためのものとして重視しています。この意味では、(健康・安全を確保するのが大前提だが)オフラインで社員が集まること自体に意義があることになります。
②次に、チームとして組織全体の課題に取り組むために、単なる情報のシェアにとどまらず、互いの士気を高め、危機意識と課題意識を共有し、団結を確認するという意味で用います。これまた、オンライン会議やメール等による情報伝達だけに終始していては醸成し難く、心と感情のある生きた人間同士が接し合い、一つの場を共有することで醸成されるものです。
①だけなら「懇親」なども含まれますが、②を合わせて考えると別の表現で表す必要が生じます。そこでこれらをあわせて「感情の共有」と称しています。例を挙げれば、4月16日に実施しました研修・勉強会では、運営・営業戦略についてのプレゼンやデータ・数値に基づいた受講戦略の発表、顧客創造-新規獲得の具体的レクチャー等、それぞれテーマを設け複数の校舎からプレゼンしてもらい、出席者全員が自校舎を運営するうえで危機意識・課題意識を持つことができたこと、当事者意識を持って傾聴していたこと、そして何より私たちが「働く機械」ではなく、心と感情のある人間が生きでがんばっている姿を互いに目の当たりにすることにより、単なる情報交換では不可能なモチベーションを上げる経験ができたことは、上で言う「感情の共有」にあてはまります。
従って「感情の共有」と言う場合、必ずしも「働く社員どうしが自由闊達に意見を出し合う」こととイコールになるわけではありません。しかしこのことが重要かつ望ましいことであることは確かです。上記のような「感情の共有」をベースにしてこそ、社員同士で自由闊達に意見を出し合い、励まし合って協働し合える職場になっていけるものと考えていますし、その逆も真だと思います。
このように、前回お伝えしました行動原則を前提として、人と人との意思疎通ができる機会創出に努めると同時に、現場の意見を聴取したり意見交換できるような環境作り、情報伝達の風通しの改善等、現場の声を反映できるように努めていきます。
【当労組の見解】
下線部について、現実の高校部の職場環境とはまったく「真逆」の理想的かつ耳触りの良い言葉で説明されている。統括部の言う「感情の共有」の最も重要な意味は、心と感情のある生きた人間として接し、互いの立場を思いやり、信頼を築き合う機会を作ることであると主張していますが、これがまったくできていないから労使紛争が過去何度も起こったのではないのか? 現在の労使紛争にしても同様である。
また「感情の共有」をベースにしてこそ、社員同士で自由闊達に意見を出し合い、励まし合って協働し合える職場になっていけるものだと主張していますが、高校部トップおよび統括部の方は現在の社会情勢をご存じないのですか? 今は「コロナ禍」なんですよ。もしコロナ禍がなく皆が普通の社会生活を営めるのであれば、組織の理念として「感情の共有」は立派な言葉だと思いますが・・・
そもそも1月からの全国でのコロナ感染者の急増局面において「感情の共有」のために、統括部が現場社員の不安を無視して対面式集団会議(臨時にリモート会議を行なうことができたのにもかかわらず)を強行しようとしたことが今回の労使紛争の発端となったのではないですか? 統括部の回答はコロナ禍の中において対面式集団会議を強行する理由としては成り立たないと思う。
またコロナ禍での世間一般の社会常識とは大きくズレており、えいすう高校部以外の職場では通用しない考え方だと思います。回答文での統括部の主張は、高校部の現場社員のコロナ感染リスクよりも「感情の共有」を優先していると理解されても仕方ありません。
過去のブログで当労組が何度も指摘したように、現在の高校部トップおよび統括部の体質に問題があるので労使紛争になっているのではないのですか? 一度、自分たちが部下からどのように思われているのかを客観的に再認識された方がよいのではないかと思います。
eisu高校部の新しい職場問題
つい先日、高校部に勤務する社員から当労組まで情報提供(スクショあり)と相談がありました。それは、高校部トップと統括部が設定したグループLINEの問題です。
高校部に勤務する管理職社員と新人社員にグループLINEを設定し、高校部トップが勤務時間中および勤務時間外にラインを送り、返信しないと統括部幹部から「なぜ無視するのか」と圧力がかかるようです。
LINEでは高校部トップから直接業務指示が来たり業務日報等を送ったりするそうですが、そもそも社内メールで「業務指示」や「業務日報」を送ることが可能なのに、なぜLINEであえて業務指示を受けたり業務日報を送る必要があるのか?
外回りの営業職社員ならともかく、高校部社員はすべて校舎勤務の内勤でありLINEで業務指示されたり日報を提出する必要はまったくないと思いますが、これを管理職と新人に強要する高校部トップおよび統括部の考えが理解できません。
ちなみに勤務時間外に業務目的でLINEが来てすぐに返信を求められるのは時間外労働になるので時間外賃金が発生します。実はこのグループLINEについての相談は、当労組だけではなく本社の労務担当にも入ったようです。
本社もさすがにこれはまずいと思ったのか、現在この高校部のグループLINEは業務時間内で行われるようになり、またいわゆる「既読スルー」も可となっているようです。
当労組は高校統括部と6月半ば頃に団体交渉を行ないます。日程はこれから決めますが、すでに高校統括部には申入れ済みです。このグループLINE問題も当日の討議内容に追加します。