eisu社員のコロナワクチン接種に関する申入れ

eisu社員、それから全国の学習塾で働く塾人の皆さんへ。

医療従事者や高齢者へのコロナワクチン接種もある程度目途がつき、これから、いよいよ一般向けのワクチン接種が本格的に始まります。えいすうの本拠地である三重県でも7月以降に各自治体から住民にワクチン接種の予約券が発送されるようです。

7月末までにワクチン接種の予約券が手元に届いたとして、実際に接種を受けるのは8月以降になると思います。

ところで、皆さんが働く学習塾では社員のワクチン接種に関する規定はどのようになっているでしょうか?今後の一般向けのワクチン接種に備え、すべての企業(会社)は雇用する従業員のワクチン接種に関する規定をしっかり決めて明確化しておく必要があります。

ワクチン接種はこれを希望しない人以外はすべての日本国民が受けることになります。したがって労働者を雇用する企業は、これを労働者各個人の問題ととらえ、個人の問題だから会社がそこまで考える必要はないという無責任な対応はすべきではないと思います。

しかし残念なことに一部の学習塾では従業員のコロナワクチン接種に関する社内制度や規定を策定することには甚だ無関心なところがあるのも事実です。

一般向けのワクチン接種はおそらく8月以降には本格化すると思います。我々学習塾で働く塾人は8月は夏期講習で超多忙なのでワクチン接種はおそらく9月以降になると思いますが、いずれにせよワクチン接種について明確なルールを早急に策定する必要があります。

学習塾業界団体の動向

不思議なことに学習塾の業界団体は、学習塾で働く従業員のワクチン接種について、学習塾特有の問題点は何か、従業員のワクチン接種をスムーズに進めるためにはどうすべきか等、業界団体内部での議論もせず、傘下の学習塾に向けた提言等も出していません。

コロナ禍での生徒数、利益拡大のためのオンラインセミナーの開催や団体主催の各種イベント案内をしているのではなく、もっと他にやるべきことがあるでしょう。

また学習塾の業界専門誌なども、こうした問題を紙面で取り上げ議論を促すということはしていません。つまり学習塾の業界団体も業界誌も今のところ何の動きも示していないというのが実状なのです。

業界団体は経営者の組織でもあるし業界誌も広告媒体の側面があるので、学習塾で働く従業員のことなどあえて問題として取り上げる必要はないということなのかもしれませんね。

そんな中、先日、大手学習塾である学究社京進グループが自社従業員のコロナワクチン接種を企業単位で行う職域接種の実施を発表しました。

職域接種については現状従業員数1000名以上の大企業だけですが、これから本格的に国民へのワクチン接種が進めば、従業員数がもっと少ない企業でも職域接種が可能になるかもしれません。

eisuユニオンの申入れ

さて当労働組合は、6月16日、えいすうに勤務する社員のコロナワクチン接種に関して、次の内容を骨子とする要求を社に申入れしました。先週より社と交渉に入っています。

1.えいすう社員(正社員、契約社員等)のコロナワクチン接種を企業単位で実施(職域接種)するよう検討すること。

2.えいすう社員(正社員、契約社員等)が自治体などの指定する機関でコロナワクチンを接種する場合、その接種当日における特別休暇の付与を要求する。この特別休暇は本年度限りとし、年度内において接種2回分、合計2日分の付与を要求する。

学習塾従業員のワクチン接種に関する問題

学習塾に限らずどこの企業でも、公休日以外の日に従業員がコロナワクチンを接種する場合、接種当日の業務を全部または一部どうしても休む必要があります。また接種後に発熱、悪寒、頭痛、めまい、手のしびれなど副反応が発生する事例も報告されています。

もし接種後に副反応により体調が急変した場合、当日の業務ができなくなったり、症状が続けば数日仕事を休む場合もあります。こうしたケースでは一般的には有給休暇を申請して休むのが普通でしょう。

しかしながら、学習塾には会社の方針で従業員に有給休暇を取得させない会社が多いのも事実です。えいすうでも8年前までは未使用の有給休暇の次年度への繰越制度がなかったし、もっと昔には従業員の有給休暇は年間5日しか認められていなかった時代もありました。

これらは明らかに労働基準法違反なんですけどね。当労組が会社と闘争して有休を法律通りに取得できるようにした背景があります。

実際、働く部署や勤務場所によっては有休で休むなんてできない職場もあります。学習塾によっては校舎業務を全部ひとりの社員にやらせるワンオペ校舎も存在します。ワンオペ職場ではどんな理由であれ休むなんてことは不可能に近いです。

また経営者や幹部が昭和の「24時間働けますか!」という古くさい労働哲学に染まっていたり、従業員のやりがい搾取が横行する学習塾ではそもそも有休取得は困難でしょう。

普段から従業員に有休を取らせない、有休を認めないような学習塾では、たとえワクチン接種が理由であっても「絶対に会社を休むな!授業に穴を開けるな!」と言ってくる会社もあるだろうし、ワクチン接種後にもし体調が悪化したとしても「這ってでも来い!」と出勤を強要してくる会社もあることは容易に想像できます。

こうした会社では、従業員のワクチン接種をあくまで「自己責任」とみなしています。したがって従業員が安心してスムーズにワクチンを接種できるように体制を整備したり、ルールを明確に定めることはしないです。

ワクチン接種後、副反応により体調が悪くなり授業に穴を開けてしまったとしても「お前が悪い!」と個人責任を追及され減給や降格などの労働条件引下げの材料にしてくる可能性もあります。

えいすうには労働組合があるので、上記のようなことは起こらないと思いますが、それでも部署や勤務校舎によっては休みが取りにくい職場はあります。また個人の問題ですが、学習塾で働く人は生徒への責任感が強い人も多く、理由は何であれ仕事を休んで授業に穴を開けることを極端に嫌う人もいます。えいすう社員の中にもこうした考えの人はいます。

接種後にもし体調が悪化しても、自分の意思で無理して出勤し、かえって体調を悪化させるケースも出てくるかもしれません。

ワクチン接種後自分の体にどんな変化が起こるのかは、接種してみないとわかりません。何も起こらないかもしれないし、副反応で体調が悪化するかもしれません。1回目の接種では何もなくても2回目に副反応が出るケースもあるようです。

また20代の若い女性は接種後に体調不良を訴える人が3割もいるというデータもありますが、学習塾業界で働く人には20代の若い女性の割合が高いですよね。

したがって少なくとも接種当日には1日仕事を休んでもらったほうが合理的だと思います。

当労組は学習塾従業員へのワクチン接種が本格化する前に、ワクチン接種に関する社内制度を整備し、規定(ルール)を明確化すべきだと考えます。また接種後の副反応による不測の事態を回避するためにも、少なくとも従業員のワクチン接種日当日については特別休暇を付与し、1日ゆっくり休んでもらうのが最も良い方法だと考えます

コロナウイルス接種に関する交渉経過

当労働組合は現在、要求事項に関して社と交渉していますが、えいすう社員のコロナワクチン接種について次の3つのケースに分け、会社はどのような方針を取るのか説明を求めています。

(1)社員がワクチンを接種する当日に休業(一部休業)する場合の取り扱い。

(2)接種後に体調が急変し当日を含む翌日以降休業する社員が出た場合の、当該社員への取り扱い。

(3)社員が家族等の接種に付き添うために休業(一部休業)する場合の、当該社員への取り扱い。

上記(1)~(3)の各ケースについて、①特別休暇の付与で対応 ②勤務したものとみなす  ③有給休暇で処理する のどれで対応する方針なのか社に説明を求めています。

当然ですが当労組は賃金の減給は認めません。したがって①~③は減給にはなりませんが、当労組はあくまで(1)~(2)のケースは ①特別休暇を付与 を要求しています。

今後の社との交渉によりますが、(2)のケースでは特別休暇の日数には上限を設けることになると思います。また(3)のケースについては ②勤務したものとみなす  ③有給休暇で処理する  のどちらかになるように思います。

6月25日(金)には回答が当労組に届く予定ですが、経緯次第では回答期日が延びる場合もあります。今後の交渉過程および結果については、このサイトで開示します。

従業員のワクチン接種休暇を導入した企業

企業の中には、すでに自社従業員のコロナワクチン接種を見越して、すでにワクチン休暇制度を発表する会社も現れています。今のところ誰もが知っている大手企業や上場企業が多いですが、いろいろ調べると地方の従業員30~50名程度の小規模企業でも従業員のワクチン接種のために特別休暇を与える会社もあります。

これから一般向けのワクチン接種が進んでいけば、本年度限りではありますが、従業員の便宜を図るためにこうした制度を設ける会社はかなり増えていくのではと思います。塾人の皆さんも「コロナワクチン接種休暇」でぜひWeb検索してみて下さい。意外と多くの会社がヒットすると思います。学習塾は一つも出てきませんが・・

各企業のコロナ特別休暇の詳細も簡単に知ることができます。内容については様々です。接種当日と翌日の休暇を認めている会社もあるし、原則当日だけとし副反応で体調が悪化した場合に限り追加で休暇を付与する会社もあります。

社員が2親等以内の家族等のワクチン接種に付き添う場合にも「ファミリー休暇」を利用した特別休暇を付与する会社もあります。

また特別休暇付与の対象となる社員についても、正社員以外に契約社員、パート、アルバイトにも認めている会社もあります。これについてもぜひ検索して調べてみて下さい。

世の中には従業員を使い捨てにするブラック企業も多いですが、従業員のことをしっかり考えている企業もあるのですね。まあこれはその会社の経営者の性格や思考様式、労働組合との力関係によるところが大きいと思いますが・・

三重県に本社や支社がある企業にも、ワクチン接種休暇を導入したところがあります。知名度の高い企業を例として挙げると、ヤマモリ・井村屋グループ・百五銀行・中部電力などがあります。企業ではありませんが三重県職員も非常勤を含む6500名を対象に接種1回につき1日のワクチン休暇を発表していましたね。

この他にもまだまだありますが、皆さんで調べてみてください。全国の塾人の方も自分の勤務地周辺の企業で、ワクチン接種のための特別休暇を導入した企業とその詳細内容について調べてみると良いと思います。

えいすう高校部に勤務する社員の皆さんへ。

当労働組合は6月14日に高校部の職場問題について高校統括部と団体交渉を行いました。詳細内容はこのサイトで開示しますが、当日の録音記録の確認にもう少し時間がかかります。もうしばらくお待ちください。開示したらeisuユニオンの公式Twitterで告知します。

 

 

 

 

 

 

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

CAPTCHA