大手学習塾ウィザスの労働組合と交流しました。
えいすう社員、それから全国の学習塾で働く塾人の皆さんへ。
少し前になりますが、このサイトを通して関西の大手学習塾ウィザスの労働組合の代表者の方から連絡があり、これまで何度かZOOMを使って情報交換や交流を行なってきました。
ウィザスは集団指導の第一ゼミナール、個別指導のファロス個別指導学院、通信制高校の第一学院高等学校などを運営する大手学習塾です。
学習塾以外にも日本語教育やICT教育、能力開発、ヘルスケア事業など広範囲にわたって運営しています。東証ジャスダックにも上場している企業です。
全国の学習塾に労組の輪を!
ウィザスに労働組合が出来たきっかけは個別指導部門の責任者の長年にわたるパワハラがきっかけです。
個別指導部門における年度退職者が約6割に達するほどで、これを是正するため一部の社員が有志で大阪教育合同労働組合に加入し、2014年に職場分会としてウィザス支部が結成されました。
2015年よりアメーバブログで外部に情報発信しており、たまたまeisuユニオンの公式サイトを見て私たちに連絡してくれたようです。
学習塾内で積極的に活動している労組はeisuユニオンとワオコーポレーション分会だけと思っていましたが、他の大手学習塾でも労組が結成されているのですね。
なおウィザス労組のブログは「大阪教育合同労働組合 ウィザス支部 アメブロ」で検索すれば読むことができます。
実は関西の学習塾の中には数年前から労組が結成されるケースが見られます。中には公式サイトを持っている労組もあります。
活動方針や成果等はさまざまですが、経営者サイドによってすぐにつぶされてしまう労組もある中で、5年以上活動を維持している労組は会社の御用組合でもない限りなかなかないと思います。
学習塾内で積極的に活動し一定の成果を上げている労使対抗型の労組はユニオンみえに所属するeisuユニオンと、なにわユニオン所属のワオコーポレーション分会が最初かもしれません。
最近、他の学習塾でも労組が結成されるようになったのはとても良い傾向だと思います。これから各地の学習塾内で労働組合の輪が広がっていくことを願ってやみません。
他の学習塾でも労組が結成されている事実を知ると、このサイトで全国の学習塾で働く塾人の皆さんに、労働条件や職場環境の改善のために労組結成を繰り返し呼びかけてきた私たちの努力が無駄ではなかったです。
この流れを絶やしてはいけないと思うし、学習塾内に新しく結成された労組の人との情報交換や交流なども今後積極的に図っていきたいと思います。
私たちeisuユニオンも同じ学習塾にある労組の先達として、ウィザス労組の方には今までの会社との闘争経験に基づくさまざまなアドバイスを提供しています。
現在は主に情報や意見交換と交流の段階ですが、将来的にはウィザス労組との共闘体制も視野に入れていきたいと思っています。
またウィザス労組は現在、このeisuユニオンのサイトをモデルにして、大阪教育合同労働組合ウィザス支部としての公式サイトを制作中であり、近日公開予定です。
ウィザス労組の成果と今後の課題
さて、ウィザス労組がこれまで取り組んできた職場の問題は主に以下の4つです。会社への申入れや団体交渉、労働委員会への申し立てなども積極的に行なっており、一定の成果を上げているようです。
まだまだ解決すべき問題や課題もあり、引き続き改善に取り組んでいます。以下の内容はウィザス労組の代表者の方から直接提出してもらいました。
① 透明性の高い評価制度の実現
2年間の「ポイント」の累計(ただし2年以前のポイントは消滅)により昇格とされていますが、「昇格には何ポイント必要か」「今自分が何ポイント持っているのか」はわかりません。
また、賞与は「給与の〇ヵ月分」という決まり方ではなく、「個人の業績によって決まる」とされますが、会社からの最終評価は「出さない」と明言されています。
さらに「(賞与)原資によって変わるので昨年との比較は無意味」とされているため、結局何もわかりません。
この不透明さ自体も問題ですが、こうした曖昧な評価制度が、パワハラや社員の発言の「自主規制」の温床になっていると考え、透明性の高い評価制度の実現に向けて何度も交渉してきました。
まだ道半ばですが、ようやく業績についてなど一部、評価が分かるようになりました。
② 適正な36協定の締結
2019年に第一ゼミナール・ファロス・パシードなどでは、職場で労使が36協定(残業協定)を締結していないことを指摘し、36協定がないまま残業させ続けていることは違法であることを指摘しました。
しかし指摘された結果、今度は社員に知らせず、会社が選んだ幹部社員を労働者代表として捺印させ労基署に提出しました。
さらにその違法性を抗議、指摘した結果、ようやく全社員に経緯を説明、民主的な手法による36協定の締結が実現しました。
③ 休日の確保や休日出勤、有給休暇取得への取り組み
週休2日制であるとはいえ、部門によっては日曜日出勤が多くなることもありました。また休日出勤しても「保護者対応以外は休日出勤とは認めない」とする部門責任者の公言などもありました。
また有給休暇は制度としてあるだけで、現場社員には非常に取りにくくなっていました。組合から問題点を度々指摘した結果、現在は講習会時期以外はほぼ週休2日は確保され、有給休暇も紆余曲折を経て、比較的取りやすい仕組みに改善されました。
④ 適正な勤務管理(みなし残業分を超える残業の扱いなど)
かつては講習会前後で7連勤を超えることもあり、また現在も講習会時期は週休1日になる勤務体制になっています。この長時間労働に対する適正な取り扱いや、休日の確保に向けて取り組んできました。
現在は申請された分は後からでも対応する旨の告知がされる、講習会時期含めて週6勤務までになるなど、前進した部分もあります。
ウィザス支部より ウィザス社員の皆さんへ
職場環境や労働条件で不満や納得がいかないことがあっても、黙って耐えているだけでは良くなることはありません。誰かが変えてくれるのも待っていても、永久に変わることはありません。
働く校舎や部署、仕事内容が違っても、置かれた環境が違っても、「私たち」ウィザス社員は顧客のために尽力する仲間です。
ウィザスで働くすべての社員が頑張れるように、職場環境を変えられるのは「私たち」自身です。労働環境や労働条件の改善・向上のために、私たちの力で変えていきましょう。
ウィザス労働組合の皆さんへ。働く職場は違いますが、同じ学習塾の塾人として労働環境や労働条件の改善・向上のために、これから私たちと一緒に頑張っていきましょう!
他の学習塾内の労働組合関係者の方へ。同じ学習塾で働く労働者として、私たちと交流しませんか? サイト内の問い合わせコーナーより連絡ください。勤務する学習塾には労働組合がないので、これから労働組合を作りたいと考えている人も歓迎します。