1月14日の全体会議の問題点(第1回)

eisu社員の皆さん。全国の学習塾で働く塾人の皆さんへ。

eisuでは1月14日に160名ほどの社員を一室に集めて全体会議が行われました。当日は雪が積もるほど寒い日でした。

この頃、全国では連日数千人単位でコロナ感染者が出ており三重県でも連日感染者が倍増している状況でした。まさにオミクロン株によるコロナ第6派が全国で急拡大していた時期になります。

そのような時期、1月14日に全体会議を実施するという通達が唐突に社から出されました。 eisu社員の多くがコロナ感染への不安や懸念を持ったと思います。

当労組から社への申入れ事項

当労組はすぐに社に会議を延期するよう申入れしましたが、本社上層部も経営者の意向だから開催は延期できない。予定通り開催するという回答でした。そこで当労組は社に対し次の項目を遵守するよう社に申入れしました。

1.会場の机は撤去し椅子のみとし1mの間隔をあけて着席させる等、社員間のソーシャルディスタンス確保に最大限配慮すること。会場の換気等を十分に行うこと。発言者は必ず飛沫防止用シールドの内側で発言すること。

2.会議の終了時間を厳守すること。午後から分科会等を行う場合は会場内の換気および社員間のソーシャルディスタンス、会議時間等に十分配慮すること。

3.当日、体調不良や感染への懸念がある社員に対し会議への参加を強要しないこと。体調に問題がある場合、参加できない事情がある場合は上長と相談の上、参加を見合わせるようにすること。

この申入れには社も応諾しています。さらに今回は当労組の公式Twitterで会議参加に不安や懸念のある人は上長に相談の上、参加を見合わせるように告知しました。そのため何人か参加を見合わせた人もいたようです。

昨年の1月頃もコロナ感染者が全国で増加していましたが、この時(21年1月)以降、当労組は社が全体会議を開催する際には毎回同じ内容の申入れを社に行なってきました。

社も当労組の申入れはおおむね遵守していたし、会議終了後に大きな問題が生ずることはなかったと思います。今回の会議までは・・

eisu社内にいる当労組の組合員は部署の関係から14日の会議には出席していません。 当労組も会議終了後に社員から多数の相談や要望が来るとは予想もしていませんでした。

会議終了後の社員からの相談 ①

14日の会議終了後、このサイトの相談コーナーを通してeisu社員からの相談や組合への要望などが相次ぎました。今回初めて当労組に相談してきた社員も多かったです。

当労組は最初、社が組合からの申入れを遵守していないのではと考えました。なぜなら以前に届いた相談とは内容がかなり異質だったからです。社員の強い怒りや反発が感じられる内容が大半でした。

当労組に届いた社員からの相談や意見は次の4つに集約できました。

1.全国や東海地区でオミクロン株による感染者が急増しているにも関わらず、唐突に全体会議を開催したこと。これは社員の感情、健康や安全面を会社や経営者がまったく理解していない。会社の方針は間違っている。

2.今は受験シーズンの最中で、学習塾で教える立場なら生徒に絶対感染させてはいけない時期でもある。その大事な時期に多くの社員を集めて会議を開催する社のやり方は生徒への配慮が欠けている。

3.会議の内容も緊急性や重要性がなかった。不要不急の内容を話すだけの会議なら、今の時期にあえて行う必要はない。この内容ならリモートでもできる。

4.経営者の自己主張で無意味な会議が開かれている。社員への配慮もない。これを放っておけば会社を見限った若手社員の離職がどんどん増えていく。このままでは会社の継続的運営に支障がでる。

1月14日の全体会議開催が通達されたのは4日前の1月10日です。この日は公休日の社員もおり翌11日に出勤して驚いた人も多かったと思います。このように急な全体会議の通達はここ数年eisuではほとんどありません。 大抵は1週間ほど前に通達が出ます。

しかも当時は全国でオミクロン株への感染者が急増しており、三重県や愛知県でも感染拡大が顕著でした。このようなタイミングの悪い時期になぜ東海地区のほぼ全社員が集まる会議を開いたのか?  会議の開催を決めた経営者の判断には強い疑問を感じます。

また当日の会議の内容は、主に次年度に向けた生徒数拡大や売上増加のため、経営者が社員を叱咤激励する話が大半を占めていました。コロナ禍の中で多くの学習塾が減収減益となっている状況の中、社員に頑張るようハッパをかけることは必要だと思います。

しかしコロナ第6派が襲来し感染者が全国で激増している時期に、感染リスクを考慮せず、あえて多数の社員を集めて対面式で行う必要はどれほどあるでしょうか?   リモートでも十分可能なはずです。

当労組と共闘・提携関係にある大手学習塾ワオ・コーポレーションとウィザスの労働組合の人に意見を聞いたところ、コロナ禍以降はワオでもウィザスでも経営者が社員に伝達する場合はすべてリモートで行なっているそうです。部署単位の会議も同様にリモート会議が一般的だと言っていました。

今のコロナ禍の中で、時代の流れに逆行するeisuのやり方は正しいのか?   こんなことでは社員の離職や人材が集まらなくなっても当然だと思います。このサイトを見ている他の学習塾で働く塾人の皆さんはどう思いますか?  

さて、この問題の本質は、社員の現在の立場や役割、事情をまったく理解せず、その時の感染状況や社員の健康・安全にも配慮せずに多数の社員を集めて会議を強行する経営者の身勝手なやり方に多くのeisu社員が反発や怒りを感じていることです。

1月14日の全体会議開催について、当労組に相談や情報提供、要望を伝えてきた社員の行為は、単に「会議に出たくない」というネガティブな感情から出たものではなく、会社や経営者に対して「今の方針・やり方は間違っている」「今のやり方は現場社員の背後にいる生徒への配慮も欠けている」「今の会社の体質を変えないとeisuの企業としての発展はない」と真摯かつ真面目に訴えているように思いました。

当労組は1月19日、会議中のコロナ感染対策に関して社に回答要求しました。

社は回答文で「会議中盤頃に10~15分程度窓を開けて換気した。廊下側のドアは常時開放した」「発言の際には必ず飛沫防止用のアクリルパーテーションの内側で行うように念押しし、全員が守っていた」

「ソーシャルディスタンスの確保は組合の申入れ通りに最大限配慮したが、すべての社員について1mの間隔を確保できていなかったことは認めます」と説明しています。

当日の感染防止対策は完璧とまではいかなくでも、おおむね履行されていたと当労組は判断しています。

当労組に届いた相談内容の中には会場での感染防止について何点か指摘する内容も含まれていましたが、感染防止対策への不満だけを訴えたものは一つもなく、必ず上記1~4のいずれかに関連する内容を含んでいました。

つまり今回の当労組への相談等は「会社の感染防止対策が甘いので何とかしてほしい」ということではなく、あくまで中心となるのは「今の会社や経営者の方針、手段に危機感を持っているので組合で何とかしてほしい」というのが主旨です。

社・経営者は現場社員の感染リスクを軽く考えるな!

オミクロン株の特徴として、感染力は非常に強いが、罹患しても重症化するケースは少なくほとんど軽症~中等症か無症状であることです。

現在ほとんどの人がコロナワクチンを接種済であるし、罹患しても重症化して死に至るケースが少なければ、極度に恐れる必要はないという意見もあります。

しかし忘れてはならないのは、学習塾で授業を担当し教室で生徒を指導している社員はすべてエッセンシャルワーカーだということです。

つまり医者や看護師、介護関係者と立場は同じだということです。

万一社員がコロナに罹患したり濃厚接触者になれば、生徒に感染させる恐れや、授業ができなくなる恐れ、最悪の場合は校舎が閉鎖される可能性もあります。

だから自分がまず感染しないよう十分注意すべきだし、そうしたエッセンシャルワーカーを多数雇用する学習塾の経営者も従業員の感染リスクについては十分に注意を払いつつ最大限配慮すべきだと思います。

学習塾社員がエッセンシャルワーカーだと考えれば、経営者が第一に考えるべきは「顧客である生徒への影響を常に意識した上で、社員の感染リスクを可能な限り減らす」ことです。

だからどこの学習塾でも多数の社員が集まる会議をなくし、リモートで行なっているのではないでしょうか。通塾する多くの生徒への感染リスクや授業への影響を考えているならこれは当然のことでしょう。 

特に1月~3月は受験シーズンであり、小中部なら私立中学入試、私立高校入試、県立高校入試があります。高校部ならセンター試験、私大入試、国公立大学2次試験があります。

この時期は例年受験生である生徒や保護者が一番ピリピリする時期であり、特にコロナ第6派が急拡大している中での受験は生徒も保護者も神経質なほどに注意を払っています。

受験シーズン中に学習塾の教員がコロナ感染し生徒に感染させてしまったらどうなるのか? 受験シーズン中に通っている校舎が閉鎖されたらどうなるのか? 信頼する先生が感染して授業が受けられなくなったらどうなるのか?

もしこんなことになれば、生徒や保護者の信頼を一気に失うでしょう。実際、当労組に届いた社員からの相談や意見の中にもこうした事態を危惧する声もありました。

経営者や社が「現場社員の後ろに多くの生徒がいる」と認識していれば、オミクロン株が猛威をふるっている最中、しかも受験シーズンに当労組の延期要請も聞かず、多くの社員を一室に集め会議を強行することはなかったと思います。

こうした意味でも今回の件での経営者や社の判断は明らかに間違っています。

1月14日の会議強行は、もし会議が原因で社員が感染した場合、本人やその家族への影響はもちろん、授業への影響、 eisuに通塾する生徒への影響について、経営者と社はあまりにも軽視し甘く考えていると言わざるを得ません

幸いにして現在、1月14日の全体会議後に社員の誰かがコロナ感染した、クラスターが発生したという情報は当労組が知る限り1件もありません。

しかし経営者および社は、学習塾の現場で働く社員は生徒を教えるエッセンシャルワーカーであるという視点を持ち、もし社員がコロナに感染したら授業や生徒にどんな影響があるのかを常に考えて判断すべきだと思います。

eisuでは昨年12月3日にも全体会議が開かれています。この時は会議開催についての社員からの相談や要望は1件もありません。なぜならこの時期のコロナ感染者は全国にも三重県でもほとんどいなかったからです。

その意味では1月14日の会議開催はあまりにもタイミングが悪過ぎたと言えます。オミクロン株は急拡大してもピークは1か月半~2か月程度と短く、ヨーロッパやアメリカの感染者推移から判断すると2月以降には感染はピークアウトしていくという見方もあります。それなら会議を延期するという判断もできたはずです。

会議の内容も経営者の社員への「叱咤激励」が大半を占めており、あえて1月14日に開催する必要は皆無だったと当労組は考えます。経営者がどうしてもメッセージを伝えたいならリモートでもできる内容です。会議を延期して2月後半や3月に開催しても遅くはなく結果的にそのほうが良かったと思います。

いずれにせよ、大事な受験シーズンで忙しい時に急に集められ、コロナ第6派への感染リスクに不安を覚えながら、特に緊急性も重要性もない経営者の話を一方的に聞かされた大部分のeisu社員は迷惑以外の何物ではないと感じた人が多かったのではないでしょうか。

コロナ第6派が拡大する中での1月14日の全体会議の開催は、今のeisuの組織体質の問題を如実に表しています。

経営者が一度決めたことには社の上層部も内心は反対でも従わざるを得ないという体質です。当労組はこの部分も今後改善していくつもりですが、これにはまだ時間がかかると思います。

昨年の今頃にも当労組はeisu高校部と今回と同じ問題で何度か団体交渉しています。ユニオンみえ本部の執行役員が言うには2020年に始まったコロナ禍により、今まで隠れていた企業の組織体質や職場環境、経営者の資質の問題が労働問題として現れた会社も実際多いそうです。今回のeisuの問題もそうした事例の一つであると考えられます。

ところで1月14日の会議で露呈した問題はこれだけではありません。すでに当労組のTwitterで伝えていますが、もう一つの問題があります。

それは経営者が社員を叱咤激励する話の中で、社員の有給休暇の取得妨害と受け取れるような発言をしたことです

これについても当労組に相談や要望が多く寄せられており、eisu社員の労働条件にかかわる重大な問題ととらえています。

次回はこの問題について説明します。ブログは近日中にアップします。

 

 

 

 

 

 

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