職場の中の “プーチン大統領”

eisu社員、それから全国の学習塾で働く塾人の皆さんへ。

最近、他塾の労組の人やユニオン関係者の人と話をすると、必ず話題になるのがロシアのウクライナへの軍事侵攻のことです。

ロシアは最初、この戦争は48時間で終わる。ゼレンスキー大統領もすぐに海外亡命する。と判断していたようですが、ゼレンスキー大統領を中心とするウクライナ国軍や国民の予想外の強靭な抵抗により泥沼化しており、ロシア軍の損失もかなり大きいようです。

この戦争はロシアのプーチン大統領が自分勝手に始めた「大義なき戦争」であることは明白です。ウクライナの民間人への被害についてもロシア側は「ロシアは民間人を攻撃していない。ウクライナ側が勝手にやっていることだ」と反論しているのは、全世界に拡散しているニュース映像や動画などを見てもつじつまが合いません。

またロシア国内においても反戦デモや戦争に反対する人々を根こそぎ逮捕拘束している状況は、もはやファシズム国家のやり方です。この戦争が早く終わり、再びウクライナに平和が訪れることを願ってやみません。

「プーチン辞めろ」という動画

ところで少し前になりますが、ある人からYouTubuの動画を紹介されました。

 Vladimir Putin – Putin, Putout という動画で、2016年2月末にアップされたものです。

日本語に訳すと『 プーチン 辞めろ ♫ 』という曲で、ロシアのプーチン大統領を強烈に皮肉った内容です。日本語の歌詞もついているので内容もすぐわかるようになっています。

アップが2016年なので結構前ですが、ロシアのクリミア併合が2014年なので、この頃からプーチン大統領への批判がかなり広がっていたことがわかります。興味ある人はぜひご覧ください。

どこの職場にもいる『プーチン大統領』

ところで、プーチン大統領のような独裁的な人物は、皆さんの働く職場にもいませんか? 上級幹部や役員の中で「プーチン的傾向」のある人はどこの会社にもいると思いませんか? これは学習塾に限ったことではなく、どんな業種の会社にも当てはまります。

では、職場にいるこうした「プーチン的人物」はどのような特徴を持っているのでしょうか? 以下にその特徴や傾向を列挙します。これらは現在のプーチン大統領の性格や言動、国内政策にも大部分当てはまりますね。

1.経営者(社長)の信任もしくは企業組織を自身の権力基盤にしている。

2.現在の役職・地位に長期間(10年程度かそれ以上)就いている。

3.部下とのコミニュケーションは皆無。有無を言わさず一方的な命令や指示を強要する。

4.部署間の調整力も欠如している。面倒な仕事はすべて部下に丸投げして押し付ける。

5.自分への異論や反論、自分の失敗は一切認めない。異論や反論は徹底して封じ込める。

6.従わないと嫌がらせ、パワハラ、脅し等あらゆる手段を使い自分を正当化し従わせる。

7.部下が自分の指示通りに動いているか、逆らわないかを常に気にし、自分に忠実な社員を使って監視させる。

8.自分の計画通りにいかないと「自分の指示や命令に従わないのが悪い」として責任をすべて部下に押しつける。

9.社内の会議等では部下に対して時に感情的になりヒステリックに吠えることもある。

10.部下から信頼されてないことを自覚している。それが原因で部下を見下す傾向が強い。

11.  自分は孤独だと自覚している。それが原因で部下を含む周囲の人間を信用しない。

12.自分に都合の悪いことは絶対に隠蔽する。組織的に隠蔽工作を行うこともある。

13.自分の周囲には忠実なイエスマンだけを配置し、彼らを通して命令等を実行させる。

14.  責任追及から逃れるため、自分は直接手を下していないように「逃げ道」をつくる。

15. 人の判断基準が「自分に忠実か」「自分の役に立つか」「利用できるか」である。

いかがですか?「私の職場にも似たような人がいる」「うちの会社の幹部役員と同じ」「経営者の性格がもろにこれだ」と思った人も多いのではないでしょうか。

ロシアや中国のような国家を例にしても、特定の人物が長期間同じ役職や地位に就いていると権力が集中し、その結果、独裁政治や強権政治が行われる傾向があります。これは「国家」でも「職場」でも何ら変わりはありませんね。

こうした「プーチン的人物」が強い権力を持って、独裁的、わがまま勝手に振る舞う会社(職場)では、当然のことですが社員の定着率は低くなります。

このような輩が幹部や役員を務める会社から人材が逃げていくのは、今のロシア国内からプーチン大統領を嫌って脱出する人が増加しているのと同じです。

さて現在、ロシアのプーチン大統領が暴走していますが、職場の『プーチン大統領』が暴走を始めたとしたら、いったい誰が止められるのでしょうか?

中間管理職クラスならその上長が止められるかもしれませんが、社内でNo.2やNo.3の地位にいる『プーチン大統領』が暴走を始めたら止められるのは経営者くらいです。

でも上記1の特徴からわかる通り、職場の『プーチン大統領』は経営者の権威を背景にしており、経営者からの信任もそこそこ高いので厄介です。

本社や経営者に相談しても放置されることも多いし、かえって相談者が『プーチン大統領』から不穏分子と見なされ弾圧のターゲットにされます。

労働組合 VS 職場の『プーチン大統領』

実は職場の『プーチン大統領』の暴走を最終的に阻止できるのは労働組合だけなのです。

実例として職場の『プーチン大統領』の暴走を発端として職場内に労働組合が結成され、闘争した結果、暴走を阻止した学習塾があります。ウィザスユニオンのケースがこれです。

2014年、関西の大手学習塾ウィザスに労働組合「ウィザスユニオン」が結成されたのは、ウィザス個別指導部門の職場内での『プーチン大統領』の暴走がきっかけです。

その頃のウィザス個別指導部門では、当時の副本部長U氏による独裁が行われ、誰も逆らうことができない状況でした。本社に相談した人もいたそうですが放置されたままでした。

職場内では労働基準法違反は言うまでもなく、パワハラやセクハラ、退職勧奨や退職強要、不当な配置転換などが横行し、暴力行為や威圧行為まであったそうです。

ウィザスユニオンの組合員の人から、当時、組合が団体交渉で会社に告発した内容を教えてもらいましたが、かなり酷いことが職場内で実際に行われていたことがわかります。

この内容については、今ウィザスユニオンが争っている、大阪府労働委員会での不当労働行為の救済申立で、必要となれば資料として提出するそうです。

この頃、ウィザスの個別指導部門で働く社員の半数以上が離職していったこともよくわかります。そしてU副本部長の横暴を阻止するため、一部社員が大阪教育合同労働組合に加入し団体交渉を会社に申入れ、闘争を始めた結果、U副本部長は解任されました。

そういえばeisuでも今からちょうど2年前に小中部マネージャーによる部下へのパワハラと不当人事考課の問題が発生し当労組が阻止した事例がありました。詳細は2020年2~3月のブログ『eisuのパワハラ問題(前編・後編)』をご覧ください。

『プーチン大統領』の職場はブラック!

プーチン的人物が権力を握り強権で支配している職場の労働環境は、一般的には最悪のケースが多いでしょう。現在のロシア国内の状況を想像してみればわかります。

こうした職場では余計なことを言って『プーチン大統領』の怒りに触れるとヤバイことになるので、誰もが本音と建て前を使い分けるようになります。皆が「明るく・楽しく・元気よく!」という環境には到底なり得ません。「働きやすさ」とは無縁の職場でしょう。

誰もが自分の身を守ることを第一に考えるようになるので、職場内でのコミニュケーションや協力関係も取れなくなり、冷たい雰囲気になります。こうした職場では年休の取得率や取得日数が極端に低くなる傾向もあります。

職場内には不満や不協和音、ストレスが鬱積しており『プーチン大統領』が指示や命令を出しても皆が素直に従うかはわかりません。従うふりはするでしょうが・・本音と建て前は違いますからね。まさに「笛吹けど踊らず」という状況になります。

なので、こういう職場では売上や営業利益が急減するか停滞する傾向があります。利益が急増することは絶対にありません。そうなるとキレた『プーチン大統領』がさらに強権的な指示や命令を出すので、職場の労働環境はまさに「負のスパイラル」に陥ります。

労働組合の無い会社なら、ウィザスの事例のように労組が結成されるきっかけとなったり、労使紛争が勃発しても不思議ではありません。

職場の『プーチン大統領』の心理は「自分は経営者から厚い信任を得ており、会社を背負っていくために選ばれた人間である。だからアホな一般社員は私の言う通りに動いてさえおればよい。私に逆らうことは許さない」と考えています。

職場の『プーチン大統領』は経営者の権威をバックにしているので「あなたの言動を社長に報告します」「社長が決めたことなので従いなさい」「私への異論は社長への反逆と同じ」等の殺し文句をよく使います。

こういう輩に支配される職場の労働者はたまったものではないでしょう。そこから逃げ出す離職者が増えるのも当然です。

しかし、私たち労働組合は、職場を強権による独裁や恐怖で支配し、真面目に働く労働者を苦しめる『プーチン大統領』を絶対に許すことはできません。

また、私たち労働組合は、経営者の信任や企業組織を利用して職場を独裁する『プーチン大統領』は大嫌いなので、労使紛争になれば徹底的に闘争し、潰そうと思います。

自分は『プーチン大統領』だと自覚している幹部および役員の方へ・・

職場で『○○○○ Putout ♫ 』と歌われないようお気をつけ下さい(笑)

 

 

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