年休取得をめぐるeisu統括リーダーの回答

eisu社員、それから全国の学習塾で働く塾人の皆さんへ。
当労働組合は5月、23年度のeisu社員の部署別年次有給休暇の取得状況の最終結果を社に開示させました。結果は当サイトの5月21日のブログで公開してあります。
詳細を見ると、三重高校部および愛知・静岡地区の職場において、22年度と比べて年休5日取得達成率、平均取得日数が大幅に低下していました。
年休(有休)取得に関する問題点
この2つの部署について22年度との結果を比較すると次のようになります。23年度において、2部署ともに年休を5日未満しか取得していない社員が大幅に増加しているのが良くわかります。平均取得日数も低下しています。
【三重高校部】
23年度 年休5日達成率 60%(未達者12名) 平均日数 5.8日
22年度 年休5日達成率 90%(未達者1名) 平均日数 6.9日
【愛知・静岡地区】
23年度 年休5日達成率 66.7%(未達者3名) 平均日数 5.2日
22年度 年休5日達成率 100% (未達者0名) 平均日数 5.6日
上記結果について当労組が問題とするのは、この2部署の年休5日取得達成率です。2019年4月1日より労働基準法が改定され、年次有給休暇の時季指定義務がすべての会社に課されました(労働基準法 第39条7項 第120条) 政府の『働き方改革』の一環としての法改定ですね。
これにより、会社はその雇用する労働者で、取得させる義務のあるすべての労働者に年5日の有給休暇を取得させることが必要となりました。もし取得義務のある労働者に年休を5日取得させなかった場合は労働基準法違反となり、労働基準監督署に摘発されれば、未達労働者1人につき30万円の罰金が会社に課される場合もあります。
23年度、当労組は年休取得に関する各部署への要求等をほとんどしていません。部署内で勤務する社員に年休5日を取得させることなら、当労組が細かく指示しなくとも部署内で上手くやってくれるだろうという判断からです。でもこれが甘かったと反省しています。
事実、当労組からの要求がなくても、三重高校部と愛知静岡地区以外の部署では22年度と比べ、達成率はほとんど低下せず平均取得日数は上昇しています。なので24年度に当労組が第一に考えるのは、労基法違反になり会社が罰則を受けないように各部署で勤務する社員の年休5日達成率を100%にすることです。
そこで6月7日、三重高校部と愛知静岡地区の営業統括リーダーに対し、下の4項目の内容で回答要求を行い、6月17日に回答が届きました。
質問と統括リーダーの回答
以下に質問項目と回答を開示します。回答は三重高校部、愛知静岡地区の営業統括リーダーの連名となっており、文はほぼ原文ママとなります。
①23年度において年休5日を達成していない社員が増えた理由とその経緯について回答されたい。
22年度は有給休暇取得計画を社員別に作成しておりました。結果的に有給休暇取得5日以上の確保はできたのですが、取得計画通りではなく計画からの振替を重ねながらの取得が目立ちました。
そこで23年度につきましては、社員各人において「年次有給休暇取得5日以上」に対する意識が高まっていることを尊重し有給休暇取得計画の作成をいたしませんでした。ただ、この度の年次有給休暇取得未達に至った最大の原因は「社員各人が有休取得する度に、有休取得日数および残日数を正確に把握できる環境になっていなかった点」にあると思っています。
有給休暇届書は営業統括リーダーを介さずに直接庶務担当者へ提出される流れであるため、少なくとも月ごとには、庶務担当者から営業統括リーダー及び社員各人に対しフィードバックすべきでした。今後は社員各人が有給休暇取得日数を正確に把握できるよう毎月月末フィードバックすることにし、年休取得未達を起こさないよう気をつけてまいります。
②部署内で勤務する社員に対し、労働基準法が改定され、年休を5日取得させないと会社が罰則を受ける可能性があることを部署単位で共有し周知徹底しているのか? 回答されたい。
年休を5日取得させないと会社が罰則を受ける可能性があることについてですが、部署単位で正確に共有がなされているかと問われれば社員によっては多少曖昧な理解になっているかもしれません。この機会を通じて今一度周知徹底いたします。
③24年度において、年休5日を達成し年休の取得日数を増やすため、部署全体としてどのような取り組みをしていくのか?その改善計画を具体的に説明されたい。
22年度に実施しておりました「社員別の有休取得計画」の作成を復活させます。そして①とも重複しますが、有給休暇届書提出について、毎月第1金曜にあたる高校部会議にて庶務担当者から部署全体への取得案内を徹底し取得状況を可視化することで、社員各人が正確に把握できるようにしていきます。
④営業統括として、部署内で年休5日を100%を達成する「やる気」や、年休取得日数を増やすための「やる気」はあるのか?回答されたい。
年休5日100%達成に留まらず年休取得日数をさらに増やすべきだと営業統括と庶務間で共有しております。営業統括・庶務では年休5日以上(更に増やす必要がある)を「果たさなければならない重要タスクである」と共有しているにも関わらず、この度の年休取得未達は失態と言わざるを得ません。営業統括と共に有給休暇取得を積極的に進める「覚悟」を今一度しっかり持ち、取り組んでまいります。
回答から思ったこと・・
営業統括リーダーからの回答を一読して疑問に思ったのは、22年度に実施していた有給休暇取得計画の作成を、なぜ23年度も継続しなかったのかということです。また年休を5日取得しないと労働基準法違反となることについても「社員によっては多少曖昧な理解になっているかもしれません」と答えているのも不思議に思います。
「社員各人において年次有給休暇取得5日以上に対する意識が高まっていることを尊重する」「年休5日取得を果たさなければならない重要タスクとして共有している」のなら、そもそも部署として今回のような事案は発生しないはずです。
eisuで年休取得問題が発覚したのは21年度末で、もう3年経過しており、その間、当労組は何度もこの2部署の営業統括リーダーと文書でやり取りしています。
年休5日取得未達に至った最大の原因を「社員各人が有休取得日数および残日数を正確に把握できる環境になかった点」としていますが責任を現場社員に押し付けているようで、統括リーダーの回答はどこか「他人事」にも感じます。
全国の学習塾で働く人や、eisu社員、特に三重高校部と愛知・静岡地区で勤務する社員の皆さんは、この回答文を読んでどう思いますか?
しかし当労組はこの回答について、今はあえて問題化しません。24年度は、この2部署で年休5日達成率100%、年休取得の目標日数10日を実行していただければ結構なので。
24年度も当労働組合は、10月末、1月末、3月末の3回に分け、eisu社員の年休5日達成率と平均取得日数を、部署別に会社に開示させます。データはこのサイトで公開します。