Q5 学習塾の職場に労働組合をつくるメリットはあるの?
自分が働く職場環境や労働条件を良くしたいと思って経営者と話をしようとしても、経営者は圧倒的に力が強く、何人か集まったとしても話し合いに応じてもらえないか、話し合いをしても「嫌ならこの会社を辞めれば」と言われて終わりです。
その後、会社から様々な嫌がらせを受ける可能性も高く、結局職場を去っていく。これでは職場の労働環境を良くすることはできないし、経営者のやりたい放題がずっと続いていきます。
労働組合を作れば、組織の力によって経営者と対等に交渉することが可能となります。働き続けながら職場の労働環境を改善させることもできます。学校に勤務する教職員にも労働組合があります。学習塾業界にこそ労働組合が必要です。
労働組合を作れば経営者と対等に交渉できます!
Q6 職場に労働組合があると、どんなことができるの?
労働組合を作ると、団体交渉で経営者に直接、自分たちの職場環境や労働条件などの改善を要求することができます。
労働組合からの団体交渉の要求を経営者は拒否できません。正当な理由なく拒否すれば不当労働行為となり処罰されます。
また経営者が職場内の労働組合員に賃金カット等の報復をすることも、不当労働行為となり処罰されます。(労働組合法 第7条)
労働組合は経営者への対抗手段としてストライキなどの争議行為を合法的に行えます。正当な組合活動により会社が損害を受けても経営者は損害賠償を請求できません。(労働組合法 第8条)
労働組合に加入すると憲法28条、労働組合法の保護の下で経営者に対して大きな力が持てます。
Q7 学習塾に労働組合をつくったら、生徒や保護者に迷惑をかけることになりませんか?
生徒のことを考えると今の職場環境を我慢して受け入れてしまう人が多いのも学習塾業界で働く人の特徴だと言えます。
たしかに生徒の成績向上や生徒へのサービスの充実を第一に考えることは大切だと思います。しかし職場の労働環境を悪いまま放っておくとどうなるでしょうか?
ベテラン社員の退社や、入社しても短期間で辞めてしまう人が多くなり、教科指導技術の共有やベテラン社員から若手社員への技術や経験の伝達が困難になります。また職場の疲弊が進み、モラルやモチベーションが低下し熱意のある優秀な人材が集まらなくなるなどの弊害が徐々に現れてきます。
こうなると、その学習塾の指導力や集客力、評判はどんどん低下していきます。これらのツケは結局、生徒や保護者が負担することになります。
何よりも普段教えている先生が、疲れて暗く沈んだ表情をしていれば、それを一番気にするのが生徒です。生徒達の前では努めて明るく振る舞ったとしてもすぐに伝わってしまいます。
労働組合は経営者側と利害が対立し、ぶつかることもあります。しかし企業が継続して事業を行い、十分な利益を上げるためには健全な労使関係が不可欠です。
学習塾も一つの企業です。企業は経営者のために存在するのではなく、そこで働く人たちによって支えられています。
この点、労働組合の活発な活動は、健全な労使関係を支える働きや、企業のコンプライアンスやコーポレートガバナンス、経営などを監視する働きもあります。
つまり長い目で見れば、会社にとって有益になることが多いのです。歴史のある大手企業ほどしっかりとした労働組合組織が存在することを考えれば、このことは明らかだと言えます。
学習塾業界の健全な発展のためにも労働組合が必要です!
Q8 学習塾の職場に労働組合を作るにはどうすればいいの?
職場に労働組合を作るには、原則としてそこで働く2名以上の労働者が組合の結成に合意し宣言すれば結成できます。会社の経営者の許可は必要ありません。
しかし外部から何の支援もなく、職場内だけの労働組合を作っても、経営者によってすぐに叩き潰されてしまうのがオチでしょう。一部の社員が労働組合の結成を職場で呼びかけても、周囲の社員は経営者からの報復を恐れて誰も参加しないことも普通です。だからこのやり方はおすすめできません。
では、どうすればいいのか?
自分の勤務地域にあるユニオン(一般労働組合)に加入します。
『一人でも、どんな職種の人でも入れる労働組合』というフレーズで宣伝しているのでご存知の方も多いと思います。
日本の労働組合は企業別に組織され、労働組合に入っている人の大部分が大企業の労働者か公務員です。中小企業では労働組合を結成することも維持することも困難です。
そこで各地にある一人でも入れるユニオン(一般労働組合)が中小企業で働く人やパート、アルバイトなどの労働者を組織するために活動しています。ユニオンはその地域のいろいろな会社に勤務する労働者で構成されます。
ユニオンに加入すると、組合本部の専従スタッフや別の会社で働く組合員からの全面的な支援が受けられます。
会社との団体交渉や抗議行動は、組合員の他、本部の専従スタッフや、そのユニオンに所属する別の会社で働く組合員も参加して行われます。
ユニオンに加盟すれば経営者からの不当な圧力をかわすことができ、自分一人でも加入できます。
ある会社にユニオンに加入する組合員が一人でもいれば、組合本部にはその会社と交渉する権限が生じます。
eisuユニオンの組合員はユニオンみえに、ワオ・コーポレーション分会の組合員はなにわユニオンに、ウィザスユニオンの組合員は大阪教育合同労働組合に加入し活動しています。
自分が働く学習塾の職場で労働組合を作りたいと考えている方は、ぜひ私たちにご相談下さい。詳しく説明します。
私たちは、コミニュティ・ユニオンの全国ネットワークを持っています。ユニオンに加入し勤務する学習塾の労働環境を改善したいと考えている方、学習塾職場に労働組合を作りたいと真剣に考える方には、勤務地付近の信頼できる、実績のあるユニオンを紹介します。質問や相談などはお問い合わせ・労働相談ページよりお問い合わせ下さい。
労働組合の輪を全国の学習塾に広げましょう!